Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

古美術

平安・鎌倉時代の日本刀は山ほどあるけれど,甲冑は室町時代のものもほとんど残っていない

日本刀と甲冑. どちらもサムライのイメージですが,扱いはぜんぜん違います, 日本刀は,武家の表道具として大事にされてきました. 戦の褒美として与えられたり,敗者から分捕ったり,江戸時代には刀を鑑定する本阿弥家があったり,歴史の表舞台にたびたび…

縄文勾玉 on 埴輪残欠 埴輪と土偶の違い,ご存知ですか?

埴輪と土偶. 日本の古代の土で作られた人形. 区別が付いていない人も,けっこう居ます. 2つの違いを簡単に説明できると,博物館でヒーローになれます(笑) みなさん,ヒーローになりましょう. 土偶 稲作が始まる弥生時代(過去記事では,「縄文勾玉 on…

好きなものが好きなことには,何かの理由がある

どうしても,好きなものって,ありますか? 私は,「数学」と「古美術」です. 今回は古美術のルーツについて. 特に出土品が好きなのですが,その理由として考えられることが2つあります. 小学生のころ,夏休みはよく山に入っていました. ある場所で縄文…

古い鉄の味わい 日本刀の茎

短刀の茎(柄の中に収まっている部分)です. 700年ほどの時を経過して,このような黒錆が覆ってくれるのですね. 100年とか200年とか,それくらいでは,まだまだピカピカに光っているものもあります. 拵(こしらえ・外装のこと)を作り替えるときには,目…

縄文勾玉 on 弥生土器

すごく良い感じで写真が撮れました! 縄文土器は,焦げ茶,ベージュ,黒という感じで,クッキーのような質感ですけど,弥生土器は赤っぽい感じや白っぽいものが多いです. 縄文土器はマジカルな模様が施され,漆で加飾されたものがありますが,弥生土器は呪…

獣面が見えにくい・・・ 線をトレースしてみた

www.phi-math.com フォトショで写真を加工. イラレで線をトレース. こんな目が鍔(つば)の部分に見えませんか? 2千年前の人が頑張って引っ掻いて描いた「獣の目」です.

漢(古代中国)と言えば,獣面ですね.刀の鍔(つば)にも描かれています!

緑釉の焼き物の壺にも,青銅鍍金の金属製の壺にも,獣面というものが付いています. 獣のような造形で,輪っかを咥えています. ルーツは,殷の時代の饕餮(とうてつ)です. 私は,個人的に,これらはすべて龍と同じじゃないか,と思っています. その獣面…

脛当(すねあて)の全体像,カッコイイ!

本ブログで何回か登場した“脛当” 戦国時代ころのものに,江戸時代になってから漆を塗ったものです. 戦のときに,脛を守るためのもの. 痛いですもんね,脛を打つと. 膝周りがスムーズに動くように,上の方がふわっと広がっているのだと思います. 下部の,…

埴輪って,何? 地域性から産地を特定できる?

年末年始で埴輪の勉強. 日本書紀に「垂仁天皇が昔からの殉死の習慣が良くないと悲しまれ,野見宿禰(のみのすくね)の進言により,土製の人形を埋めることで代用した」とあるそうで,「それが埴輪の始まりだ」と考えたくなりますが,実は,それは誤解のよう…

“大立挙”は,まるで花のよう・・・

ウリ科の植物の花のように見えてきませんか?このフワっと広がった形状が好きなんですよ.

2000年前の青銅刀@中国・漢時代

古代中国,漢(2000年くらい前)の時代の青銅の刀です. 刀は,“カタハ”のこと. 剣は,諸刃(もろは).諸刃の剣は,腹痛が痛いと同じです(笑) 実際に刃は付いていないので,触っても切れません. 副葬品だろうと思います. ちなみに,青銅でも,バッチリ…

このかっこよさ,ヤバ過ぎますよ!

幻想的・・・ 内側は金白檀(びゃくだん)塗り. 黒漆の上に,金箔を貼って,その上から透明な透き漆を塗っています. かすかな赤い金錆が,彩りを加えてくれています. 室町時代の作成時は,鉄地むき出しだったはず. それを江戸時代に仕立て直したものです…

このかっこよさ,ヤバ過ぎる

この流れるようなフォルム. 「用の美」という言葉では語り尽くせないくらい,ただ単にカッコイイ. 膝をガードする部分がグッと広がっていて,しかも,そこでパーツが分かれていないのが,古い時代の特徴です. 「大立挙(おおたてあげ)」

鍍金された環頭って,中国の漢の時代からあるのですよね

弥生時代には,鉄の素環頭の大刀なんかがありますが,同時代頃(2000年前くらい)の中国では,環頭に鍍金が施されています. 日本では,古墳時代の後期くらいからですかね,竜や鳳凰の顔がある鍍金の環頭大刀が副葬されるのは. これらが朝鮮半島製なのか,…

打ち出した鉄板を,鋲で留めてます

鍛錬した3枚の硬い鉄板を,コツコツと打ち出して形を作り,鋲で留めています.ひし形の金具を使うことで,連結を強化.このふっくらした曲線が良いです.端を折り返すという実用的な作業も,いまとなっては,美点の1つになっています.

江戸時代の漆の下からのぞく,室町時代の鉄地

これ,なぁんだ? 分かる人は超マニアさんです(笑) 全体像を見ても,普通の人は,まったく分からないと思います. 室町時代の「○○○○の○○」で,現存品は非常に数少ないものです. 江戸時代,それに漆を塗ったようです.

銅の美しさ

1400年くらい前の中国のもの. 銅の錆と言えば緑青(ろくしょう). 青や緑のものが多く,青銅と言われるほどです. しかし,赤い錆が出ているものがあります. この写真もそうですし,古代エジプトやヨーロッパの銅でこのような錆を見ます. 青銅は,銅だけ…

日本刀に現れる模様

剣の彫りがありますが,タイトルの「模様」というのは,これではありません. 銀色の部分に,小さな白っぽい線がたくさん入っています. 一部は断続的につながって,曲線を描いていたりします. これが,日本刀の特徴の1つです. 1)和鉄(砂鉄から作った…

古代寺院の荘厳

この角度,すごい. 古代寺院の荘厳を想像しながら・・・

2000年前の漆⑤

やっぱり,コレ,むっちゃ好きだ. しわくちゃになるために存在していたかのような,これがこれであることが自然である感じ. キレイに作られたモノが廃れていく過程で見せる独特の美しさ. その瞬間を切り取って,現在,自分の手元にある. 今後も2000年,…

痕跡②

古美術の楽しみの1つ,それは,過去の痕跡が見つかること. 作られた当時の姿と,現在の姿は,大きく違っています. 800年ほど前の不動明王のお顔にある赤色塗料(朱?)の痕跡も発見しました. こちらは,真っ黒(実際には濃い茶)になった出土銅製品から…

古い鉄の味わい

日本刀に使われる鉄は,炭素等の不純物が少なく,とても質が良い鋼. 刃の方は炭素量がやや多くてとても硬い組成. それを受ける棟(背)の方は炭素量が少なく,柔らかい.これで衝撃を吸収します. そんな良質の鉄には,黒錆がキレイにつくようです. 鉄の…

日本の漆製品

およそ1350年前のものですね。 よく残っているもんです。 普通に見たら、単なる汚ならしい板です(笑) でも,ヤバいくらい,これが好きなんです!

2000年前の漆④

やっと,雰囲気がよく分かる写真が撮れました. 黒い漆は,生漆(きうるし・原液を精製したもの)の水分を飛ばして透漆(すきうるし・透明な漆)を作り,そこに黒い粉末等を混ぜて作るようです.黒い粉末は,油煙(ゆえん)や松煙(しょうえん)といった墨の…

埴輪の内側,見たことありますか?

意外と滑らかなんです! 埴輪の作り方 https://www.phi-math.com/entry/2019/12/15/162731 にも書いたように,粘土を積み上げた後,板状の工具で平らにするのです. おそらく,均一の厚みでないと,焼くときに歪んだり,割れたりしてしまうのでしょう. この…

痕跡

古美術の楽しみの1つ,それは,過去の痕跡が見つかること. 作られた当時の姿と,現在の姿は,大きく違っています. 鍍金が剥がれたり,彩色がとれてしまったり. 割れたり,日本刀なら研ぎ減ってしまったり. 土中していたら銀化もするし,火災にあったこ…

2000年前の漆③

朱で描かれたグルグル. “氣”でしょうか. それとも,植物モチーフか. 当時の工人が一筆一筆,描いたものでしょう. とても精緻. これが側面全体に施されています. 何だか分からないですが,見ているだけでゾクゾクします.

埴輪の作り方

帯の部分が一部剥落しています. その剥がれた下にも線が描かれているのが見えます. これって,何なんでしょう? 粘土を積み上げて形を作るときに,そのままでは凹凸だらけです. だから,内外の表面を滑らかにします. そこで使うのが,板状の工具だそうで…

お気に入り♡ー④

聖なるフンコロガシ(笑) 背景を変えて,光を当てたら,神々しくなりました. ガラス質(ファイアンス)の胴体 素焼きに加彩の両翼 手に取った感じも,翼と胴体では全然違います. やっぱり,実際に手に取ってみないと,モノの本質は分からない!! 気に入…

博山炉@奈良博

毎年,正倉院展の会場となる奈良国立博物館. その中に「なら仏像館」があり,その奥の方に「青銅器館」があります. 人や鳥が支える青銅製の博山炉. 何ともユーモラス(笑) これが今から2000年くらい前のもの. ※青銅器館では,古美術商の坂本五郎さん(…