Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

銅も土に還ろうとする

青銅器はお好きでしょうか?

 

f:id:phi_math:20191116195632j:plain

 

青銅は青いものと誤解されていますが、実は、10円玉も青銅。

作られた当時の青銅器は、金属光沢があって、祭りの際には太陽の光を反射して、さぞかし神々しかったのだろうと想像させてくれます。

 

溶かして型に流し込むとき、銅だけでは流動性が低いため、錫(すず)を混ぜます。

それが青銅。

錫の量が少ないと、銅の色。少し増えると金色となり、さらに増えると錫の色が表に出てくるのか、銀色になるそうです。

それが1000年以上も土の中にあって、錆(緑青・ロクショウ酸化銅などのこと)で覆われることで、緑色の青銅器になります。

自然の中にある銅(銅の鉱山など)は、酸化銅などの状態で存在しています。

つまり、土の中で眠っている青銅器は、自然に返ろうとしているのです。

 

人が美しく作ったものが、土に還る途中の状態。それこそが、我々が目にする青銅器。

深い緑、鮮やかな緑、瑠璃(青)に覆われた状態は、人工と自然の狭間。

どちらかだけでは決して作れない美しさ。

 

造形に加えて、素材の面白さも味わえるのが、青銅器の魅力と思います。

薬剤で作った緑青とは、やはり違います。

 

銅の内側から湧き上がってくるような緑の凹凸は、まるで生きているかのよう。

青銅を愛でましょう(笑)