「すべての数は0と等しい」というのを、信じられるでしょうか?
そんなことが起これば、世界は崩壊してしまいます!
「同じを同じと思えること」
https://www.phi-math.com/entry/2019/11/17/224331
でも書いたように、比が等しい、つまり、「a : b=c : dの等号が成立する」というのは、
ad=bc
が成り立つことです。
例えば 3 : 2=6 : 4については、
3 × 4=12,2 × 6=12
から、「等号が成立する」と分かります。
その記事で、実は、「a,b,c,dは自然数」と注記していました。
それ以外のときに比を考えると、危ないことが起こるからです。
それでは、世界を崩壊させてみましょう。
2 : 0=3 : 0
が成り立つことは、直観的にも分かります。また、
2 × 0=0,0 × 3=0
だから、定義からも分かります。
ということは、
2 × 0=0,3 × 0=0
が分かって、
2 : 3=0 : 0
が成り立ちます。
同じように考えると、
1 : 0=2 : 0 ∴ 1 : 2=0 : 0
が分かります。
「同じもの(0 : 0)と等しいものどうしは等しい」から
2 : 3=1 : 2
であり、「比が等しい」の定義から
2 × 2=3 × 1 ∴ 4=3
です!
両辺から3を引いても等しいから、
4-3=3-3 ∴ 1=0
です。
0が入った比を認めると、「すべての比は0 : 0に等しい」ことが分かり、
すべての数は0と等しい
ことが導かれます。
解答を作るとき、「線分ABをt : 1 - t (0≦t≦1)に内分する点をPとおく」などと書いた瞬間に、その世界は崩壊しています(笑)
みなさん、ご注意を!