「高麗青磁にも・・・」
https://www.phi-math.com/entry/2019/11/27/170000
では、
釉薬の厚いところの透明感と、窯の中で台と器がくっつかないように置いた硅石が、特徴です。
と書きました。
12世紀に朝鮮半島で作られた、高麗青磁の刻花文平鉢です。
かわいらしい花が彫られています。
彫りの深いところほど多くの釉薬が溜り、青く見えます。
薄い部分は白っぽい。
いまから800〜900年ほど前、そこまで計算して作っていたのです。
高麗青磁の最上作は、翡翠(ひすい)のような青「翡色」と呼ばれます。
本作はそこまでの色ではないですが、発色も良いし、彫りもシャープで美しいです。
12世紀の後半になると、白や黒の土を埋め込んで模様を作り出す象嵌(ぞうがん)が流行るのですが、本作はそれよりも前の時代の作だろうと考えられます。