Mr.∅の数学と古美術

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【続】モンティ・ホール問題について

モンティ・ホールは、新車の入っている扉を知っているのでしょうか?

 

10回の放送で1回もしくじらなかったとしましょう(毎回、ハズレの扉を選ぶ)。

仮説:
【新車の入っている扉をモンティ・ホールは知らない】

この仮説のもと、1回もしくじらない確率はどれくらいでしょうか?
その確率がどれくらい小さかったら、「知らないはずはない」と判断しましょうか?

このようなことを調べるのが、仮説検定の考え方です。


モンティ・ホール問題の復習。

 当(当たり) ①(外れ①) ②(外れ②)

の3つの扉があって、そこに

 プ(プレイヤー)、モ(モンティ・ホール)、残(残りモノ)

を割り当てる作業を考え、その後、プレイヤーが変更するかどうかを考えるのでした。
割り当ての結果は全部で6通り。

  当 ① ②
1)プ モ 残
2)プ 残 モ
3)モ プ 残
4)モ 残 プ
5)残 プ モ
6)残 モ プ

いま、モンティ・ホールが当たりを知らずに無作為に扉を選ぶと仮定しているから、いずれも確率1/6で起こります。
モンティ・ホールがしくじってしまうとは、3)、4)が起こることです。
ということで、各回でしくじる確率は1/3です。

10回連続でしくじらないのは、1/3の確率で、うまくやる続ける確率になって、それは掛け算で計算できます。

  (1/3)×(1/3)×……(10回掛ける)
 =1/59049
 =0.0000169……
と、非常に小さい確率になります。
%で言っても0.00169……%。
10回チャレンジを6万回繰り返して、やっと1回現れる程度。

 

さすがに【仮説】は棄却して、「知っているはずだ」と判断しますね。
実際には、事前に「1%未満だったら棄却」という風に設定してから計算します。

 

 3×3×3×3×3=243

だから、5回連続でしくじらない確率は

 1/243=0.00411……
 約0.4%

です。1%を基準にしていると、5回連続でしくじらなかった時点で、

 「モンティ・ホールは車がどこに入っているか知っているはずだ」

と判断して、プレイヤーは「変更すると当たる確率が2倍だ」を利用することになります。

 

もしも、7回で1回だけしくじったとしましょう。
「知らない」という仮説のもとでは、7回でしくじりが1回以下になる確率は

 1/729+7×2/729=0.00685……
 約0.7%

です(詳細は省略)。
1%を基準にしていると、7回中1回しくじっても、「知らない」の仮説は棄却されます。

 

きっと1回でもしくじったら、モンティ・ホールさんは司会をクビになってしまうのでしょう・・・