Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

数学における定性的な問題①~答え~

次の2つは,

  f:id:phi_math:20191212222825p:plain

のグラフです.

  f:id:phi_math:20191212222948j:plain

青い線で描かれているのは,上の方?それとも下の方?

微分などの計算をせず,図だけからパッと判断してください.

 ■ □ ■ □

 

答え

青い線は下の方です.
特定する方法は,2つあります.

 

xの2乗の係数に注目

3次関数の導関数は,2次関数になります.
xの2乗の係数は,導関数のグラフの軸の位置に対応します(マイナスをつけると).
平方完成をイメージすると分かると思います.
導関数の軸の位置は,3次関数の変曲点(極値点を結ぶ線分の中点)に対応します.
青いグラフの方が,変曲点がy軸から遠いので,下の方が正解です.

 

xの係数に注目

xの係数は,導関数にx=0を代入した値で,3次関数のグラフのx=0の点における接線の傾きを表します.
実際,上の式なら
  y=x^3 + x^2 - 5x + 1
と1次以下の部分
  y = - 5x + 1
を連立すると
  x^3 + x^2 - 5x + 1= - 5x + 1
  x^2(x + 1)=0
となり,x = 0を重解にもちます.
つまり,y = - 5x + 1は,x = 0の点でy=x^3 + x^2 - 5x + 1に接しています.
上の式は傾きが- 5,下の式は傾きが- 3.
青いグラフと黒いグラフでは,x = 0での接線の傾きの絶対値が大きいのは,黒.
よって,青いグラフは,下の式です.