鹿と思われる動物が,黒と金の漆で精密な筆致で描かれています.
植物のような模様,同心の楕円,耳の雷紋のような模様.
完品ならさぞかし美しいのだろうけれど・・・
中の木地は塵と化しています.
※雷紋(らいもん):
ラーメンのドンブリに書いてあるような四角の渦巻きが2つくっついたような模様
殷(商)や周の時代(3000〜4000年前)の青銅器は,隙間なく雷紋で埋め尽くされています.
大きな饕餮(とうてつ・龍のような鬼のような獣のような…神獣と言えば良いのか,とにかくそんな意匠)の間に漂う“氣”を表しているのだと考えられます.