Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

算数とも詰将棋的とも思える数学の問題 @19神戸大学

 1,3,4,1,3,4,1,3,4,・・・

というふうに1,3,4が繰り返し並んでいます.これを前から順に足していきます.

n個足したものをS(n)と表します.つまり,

 S(1)=1,S(2)=1+3=4,S(3)=1+3+4=8,・・・

です.

(1) S(n)=2019となるようなnは存在しません.その理由を説明してください.

(2) kを自然数とします.S(n)=(kの2乗)となるような自然数nが必ず存在するそうです.その理由を説明してください.

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※問題文は算数風に書き換えてます.

 

こういう問題,普通じゃないです!

問題集などには載っていません.

だから,問題そのものと対峙して,どんな秘密が隠されているのかを探し出すことになります.

 

数字が並ぶ系でイミフメイなので・・・法則を探すことになるでしょう.

 1,3,4,1,3,4,・・・

の法則は教えてくれていますから,足した値についてです.

 S(1)=1

 S(2)=1+3=4

 S(3)=4+4=8

 S(4)=8+1=9

 S(5)=9+3=12

 S(6)=12+4=16

 S(7)=16+1=17

 S(8)=17+3=20

 ・・・

 

(1) この作業を続けて,2019が現れるかどうかは,チェックすることができそうです.

が・・・メンドクサイ

 

(2)で考える(kの2乗)は

 1,4,9,16,・・・

ですが,確かに全部,現れています.25も現れるのだと思いますが,まだ分かりません.

(kの2乗)という数は無数にあるので,この作業を続けて,現れることを直接確認するのは不可能です.

 

改めて法則を探すことにします.

並ぶ数字は,3つおきに見ると,

 ① 1,9,17,・・・ 8ずつ増える!

 ② 4,12,20,・・・ 8ずつ増える!

 ③ 8,16,24,・・・ 8ずつ増える!24

となっています.

 ① 8で割って1余る

 ② 8で割って4余る

 ③ 8の倍数

②③はまとめて,「4の倍数」です.

 

(1) 2019は,この中に現れますか?

2000は8の倍数,16が8の倍数だから,

  2019を8で割ると,余りは3

だから,現れない!

 

(2) (kの2乗)は,

 

・kが偶数なら,(kの2乗)は4の倍数

 4の倍数はすべて現れることが分かっています.

 

・kが奇数なら,(kの2乗)は,

   k^2=(2a+1)^2=4a^2 + 4a + 1

 です.4で割って1余りますが・・・

 8で割って1余ってくれないと,現れることの理由になりません.

 もう少し深く考える必要があるようです.

論点:4a^2 + 4aは8の倍数?

割り切れるかどうか,というのは,素因数分解と直結します.

だから,積の形で表してみましょう.

 4a^2 + 4a=4a(a+1)

これを見ると・・・

 aとa+1は連続する整数

2,3とか99,100とか,2つのうちどっちかが必ず偶数になります.

偶数と奇数は交互になっているからです.

ということは,a(a+1)が偶数で,4a(a+1)は8の倍数です.

(kの2乗)を8で割ると1余るので,(kの2乗)は,

 S(1),S(2),S(3),S(4),・・・

の中に現れます(どれかのS(n)と一致).

(解答解説おしまい)

 

数学の問題を解くことは,知っている解法を当てはめること,ではないんですね.

普段の勉強からこういう思考をしていると,覚えることはどんどん減らしていけます!

数学を通じて身に付けて欲しい力です.