下の図は,1/1 から始めて分数 p/q の左下に p/(p+q) ,右下に (p+q)/q
を配置するという規則でできた樹形図の一部である.
(1)(2)(3)省略
(4) 19/44 はこの樹形図の上から何段目の左から何番目に配置されるか答えよ.たとえば, 3/1 は上から3段目の左から4番目である.
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(1)~(3)では,この図には,
・既約分数(たとえば, 2/6 は既約分数ではなく, 1/3 が既約分数)しか出てこない
・すべての正の分数が,ただ1回だけ登場する
ことを証明しています.
つまり,図のどこかに,19/44 は1回だけ現れます.それが何処かを考えて欲しいのです.
下の方が大きいから,この分数は,ある分数の左下に現れます.
ペアとして, 44/25 が現れます.19/25 の上にくるのは?その上は?繰り返すと・・・
1/6 はどこに配置されているか,分かりやすいですね!どこかの段の左端ですから.
ということで, 19/44 は11段目にあります.
では,左から何番目?
たとえば, 13/6の下には,11段目に図のように4つの数字が表れます.
7/6,1/6 の下には8個,16個が現れるので・・・
16+8+4+1=29
つまり,11段目の左から29番目に 19/44 に現れます!
<(1)(2)(3)の補足>
(1)はユークリッドの互除法.阪大理系受験者の多くは解けているはず.
(2),(3)は,数学的帰納法.分母+分子の値に注目すると証明しやすいと思います.
しかし,入試当日は,医学部医学科志望で数学を武器にする人以外,(2)(3)は解けていません(私の聞いた範囲で).
本当に力のある人は,そこをキッチリ捨てて,(4)を解いています.
解けなくても,最後まで問題に目を通し,(4)は算数で解ける!と見抜けるかどうか.
そういう判断を冷静に下せるか,も大事なんです!