計算“結果”は,96です.
ここで考えたいのは,計算“経過”です.
例えば,こんなのはどうでしょう?
8×12=8×(10+2)=8×10+8×2
8×2は九九に入ってます.16です.
だから,
8×12=80+16=96
☞筆算のカラクリを丁寧にやっている感じの計算でした.
こんなのは,どうでしょう?
8×12=(10-2)×(10+2)
と思うことができます.
こんな公式,覚えていますか?
(x+a)(x-a)=x^2-a^2 (xの2乗 引く aの2乗)
実は,二面性があるんですよね.
どういうこと?
・(x+a)(x-a)を計算したら,x^2-a^2になる,と見たら
☞展開の公式
・x^2-a^2を計算したら,(x+a)(x-a)になる,と見たら
☞因数分解の公式
この公式は,x,aがどんな文字に変わっても,どんな数値に変わっても,使える公式です.だから・・・展開の公式として,
8×12=(10-2)×(10+2)=10^2-2^2
10を2回かけたら100,2を2回かけたら4なので,
8×12=100-4=96
この経験があると,一瞬で答えが分かるようになりませんか?
10より2だけ大きい数と,2だけ小さい数をかけると,100より,ちょっと小さくなるんですね.
慣れている人は,これを応用して次のように考えられます.
1の位の数8と2の積16を考えたら,1の位は6
8×12=100よりちょっと小さい1の位が6の数=96
ズルっ!!
でも,こういう風に,数を現実に存在する対象として操作する感覚が身につくと,ちょっと数学は得意になると思います.
もう1つだけ,やってみると・・・
12は,何と何をかけた数でしょう??
2×6,3×4,4×3,6×2
などなど.
ということは・・・どんな計算が考えられますか?
8×12=8×(4×3)
掛け算は計算しやすいところから先にやっても,同じ答えになる,ので,
8×12=8×(4×3)=(8×4)×3=32×3
これなら,繰上りが起こらないので,暗算でも計算できそうじゃないですか?
3×3=9,3×2=6
だから,
8×12=8×(4×3)=(8×4)×3=32×3=96
どれがお気に入りですか?
「普通にやったら良いのでは?」
もっともな感想です(笑)
そうは言わず,算数・数学にも自由があるんだ!ということを感じてもらえたらな,と思います.