Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

分配法則って、ご存じですか?

原理に戻って理論の正しさを実感すること。
初学者にはツライ学習法ですが、大人には、頭の体操になるし、ちょうどよいかもしれません。
1や0の話、「逆数をかけることと割り算が同じ計算操作」の話など、原理に戻りました。
今回も、そんなことをやってみようと思います。

 

さて、 2x+3x を計算すると・・・

5x になるんでした。
  2x+3x=5x
これは、どうしてでしょう?
2x というのは、x+x と同じ。
x を2個足したもの。
  2x+3x=x+x + x+x+x
xを5個足したものになりそうです。
だから、
  2x+3x=5x


さらに、
  5=2+3
なので・・・ 
  2x+3x=(2+3)x

となるのです。

 

これが、分配法則。

 

いまは、
  2x+3x を計算したら (2+3)x になる

という流れで式を作りました。
こういう式は、2通りの解釈が可能なのでした。
つまり、
  (2+3)x を計算したら 2x+3x になる

とも読むことができます。
この見方をすると、「分配法則」という感じがしますね。

 

ちょっと補足。
「〇=□」は、
  〇と□は同じ
という意味で、
  〇は、□と同じ
  □は、〇と同じ
のどちらの意味も含んでいます。

 

これが、展開の原理です!
  ダメ→ 2(x+y)=2x+y ←ダメ
こうやってはダメで、
  2(x+y)=2x+2y
です。
  (a+b)(x+y)=??
何回も分配する必要があって・・・
  (a+b)x + (a+b)y
とした後に、
  (a+b)x=ax+bx
  (a+b)y=ay+by
とすることで
  (a+b)(x+y)
  =(a+b)x + (a+b)y
  =ax+bx+ay+by
とわかるのです。
  (a+b)(x+y) と (a+b)x + (a+b)y は等しくて、
  (a+b)x + (a+b)y と ax+bx+ay+by が等しい

から、 

  (a+b)(x+y) と ax+bx+ay+by は等しい

ということです。
これが展開の真の意味。
これを逆から読むと、
  ax+bx+ay+by を変形すると (a+b)(x+y) となる
になって、これが・・・
そう、因数分解ですね。

「こうするものだ!」という必殺技を使わずに丁寧にやると、理論の積み上げは、こんなにメンドクサイのですね。
だから、初めて学ぶ人への教え方と、それを上書きするときの教え方は、ちょっと変わってくるんです。