∞は,「ある」のではなく,「する」と思うと良いでしょう.
そんなものは「無い」のです.
その状態に「なる」「する」のです.
その状態のことを「考える」のです.
と,唐突に哲学的な雰囲気になっております(笑)
これが今回のテーマです.
さて,先日の記事について,コメントちょうだいしました.
***
0.000001=0.000000
とか,
0.0000……01=0.0000……00
とか,やって良いのだったら,
0=1
になってしまうじゃないか!?
***
その通りなんです!
だから,「極限でも,そんなことをやってはいないんです」という話をしてみようと思います.
1回ではとても終わりそうにないので,何回かに分けて.
ということで,今回は,「∞」について説明してみようと思います.
∞
コレ,何て読むか,ご存知でしょうか?
「横になった8」なんてボケはしませんよ(笑)
「無限」と思った人,いませんか?
実は,違うんです.
「無限大」なんです.
“大”がないとダメなんです!!
何が違うの?
と言われそうですね.
でも,これが大事なんです.
限り無く大きくなる(大きくする)
という「動き」を表しています.
だから,∞は「数」ではなく,
「動き」
「状態」
「雰囲気」
とでも言うべきものです.
だから
n=∞ ☜ダメ!
という書き方は,決して許されません.
n→∞
と書きます.
nは,限りなく大きい ☜ダメ!
とは決して言わず,
nを,限り無く大きくする
のです.
いま,nは自然数1,2,3,・・・・・・を表す文字としています.
自然数はどれだけ並べても終わりは無く,ドコまでも続いています.
人が数を「並べている」というのではなく,元から「並んでいる」と捉えるのが良いと思います.
元々並んでいるものに,人が,理解しやすいように,数に名前をつけている感じです.
最初のものを「1」と呼ぼう.
その次は,「2」だ.
・・・・・・
という具合に.
どこまでも並んでいるのだから,ずっと先がどうなっているのかを考えたくなります.
それが極限です.
具体例で
例えば,
1,3,5,7,9,・・・・・・
と奇数が順に並んでいるとします.
次に並ぶのは,11です.
これは6番目の数.
並ぶ数は,2ずつ増えているから,6番目の数である11は,2×6-1と表すことができます.
1000番目に並んでいる数は,2×1000-1=1999のはずです.
一般的に,n番目に並んでいる数は,2n-1と表示されます.
では,nを限りなく大きくすると,2n-1の値はどうなるでしょう?
これも「限りなく大きくなる」と答えることができます.
大きくなり具合は,nよりも強いです.
しかし,「動き」としては,「限りなく大きくなる」であると言えます.
これを
2n-1→∞ (n→∞)
と書きます.
数字ではないから,「=」は使わず,「→」を使うのでした.
極限(limit)として,「こういう状態になる」と表すのです.
lim(n→∞) (2n-1)=∞
という表記も許されます.
limと書いたら,「数」ではなく,「極限」のことだな,と分かるからです.
「数」ではなく,「動き」を表しているんだな,と.
最後に,1つ,大事なこと
∞は「数」ではなく,「限りなく大きくなる」という「動き」を表す記号.
だから,数のような計算はできません.
つまり,「n→∞を代入して
2n-1→2×∞-1」
のような書き方は,決して許されません.
無限大を冒涜していることになります!!
「極限は,“限りなく大きくなる”です」と答えるだけにすることが大事なのです.
lim(n→∞) (2n-1)=∞
∞は,「ある」のではなく,「する」と思うと良いでしょう.
そんなものは「無い」のです.
その状態に「なる」「する」のです.
その状態のことを「考える」のです.