Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

1/3=0.333333…… ということは 0.111111……=?

今回もちょっと哲学っぽくなってしまいそうです.


3÷3=1なのだから,

  (0.333333……)÷3=0.111111……

となって,

  0.111111……=(1/3)÷3=1/9

となりそうです.


でも,こんな計算,やっても良いのでしょうか?

それがOKなんだ,という話をしてみようと思います.


以前の記事

 

www.phi-math.com

で説明したように,

  1/3=0.333333……

となるのでした.

限りなく“………”が続くのは,「極限」というもので,「限りなく近づく値は,なに?」と考えるのでした.

「限りなく近づく値」というものに対して,

  (0.333333……)÷3=0.111111……

とすることは許されるのでしょうか?


数学で困ったら,どうするか,ご存じですか?

 

定義に戻る

これに尽きます.

ということで,極限の定義に戻って考えてみましょう!

0.333333……は

  0.3, 0.33, 0.333, 0.3333, ……

とずっと並ぶ数が,どういう値に限りなく近づくか,を考えるのでした.

同じように,0.111111……は

  0.1, 0.11, 0.111, 0.1111, ……

とずっと並ぶ数が,どういう値に限りなく近づくか,を考えるのです.


並んでいる数について考えるなら,

  0.3÷3=0.1

  0.33÷3=0.11

  0.333÷3=0.111

  0.3333÷3=0.1111

という計算をしてもまったく問題ありません.

 

だから,こう考えます.

  0.3, 0.33, 0.333, 0.3333, ……

という数の並びについて,限りなく近づく値(極限)が「存在する」ならば,

  0.1, 0.11, 0.111, 0.1111, ……

という,3で割った数の並びについても,限りなく近づく値(極限)が「存在」して,近づく値も,ちょうど3で割った値になる.


だから,結果として

  (0.333333……)÷3=0.111111……

は正しい,と言えます.

もう少し正確に言います.

 

ここから,とっても哲学的です.

  (0.333333……)÷3=0.111111……

の意味は・・・

  「0.333333……」が表す数値「1/3」を3で割った数値「1/9」が,

  「0.111111…… 」が表す数値と一致している

ということです.

決して,「0.333333……に現れる数字の3を全部3で割って1にしている」のではないのです!


これが正しい理解なのですが,普段の数値計算では,「感覚的に」やってしまっても,正しい計算結果になるから,私もスルーしてしまっています.

 

「本音と建前」

私も普段は,こんな風にやっています.


  (0.111111……)×2 は 1を全部2倍して

  0.222222……

となって,

  0.111111…… が 1/3 だから

  0.222222…… = 2/3


これ,厳密に言うと,極限を冒とくしていることになります.


分かってやっているのと,分からずにやっているのとでは,大きな違いはあると思います.

できれば,分かってやっている人になってもらえたらな,と思います.