Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

古墳時代の鉄(銅製品をつなぐのに使われた金具)

f:id:phi_math:20200306003732j:plain

 

これを見て喜ぶ人が全国に何人いるのだろう?

と思いつつ,写真をアップしてしまう(笑)

 

これ,銅製の造形物の端っこにくっ付けられた鉄金具.

磁石が付いたので間違いありません.

錆まくっていますが,メタルが残っていて,安定しています.

 

銅と鉄を比べると,強度は,鉄が勝っています.

 

ですが,鉄には弱点があります.

それは,鍍金ができないこと.

 

古墳の副葬品は金ピカです.

金製品は少なく,銅に鍍金(メッキ・ときん)したものがほとんどです.

 

水銀に金を近づけると,金が水銀に溶けたようになります(アマルガムと言います).

それを金属の表面に塗ったのち,火にかけて水銀を蒸発させます.

すると表面に金だけが残り,そこを滑らかにならすと,鍍金の完成!

 

銅に鍍金すると,金はしっかり定着します.

銀でも大丈夫.

金・銀・銅は,化学的にもお仲間なので,なじみやすいのです(あくまでイメージですよ).

 

でも,鉄は,ダメなんです.

金が定着しないのです.

 

だから,強度が必要な製品を鍍金するときには・・・

「鉄地金銅貼り」という手法がとられます.

つまり,銅の薄板に鍍金して,それを鉄に貼り付けるんです.

そこまでして金ピカにしたいんです.

 

馬具(鞍や各種装飾金具など)は,よくこの手法が用いられています.

出土すると,金の下から,緑青(銅の錆).

さらにその下から,鉄錆(写真の鉄の部分みたいな感じ).

カオスな感じになります.

 

この写真のものは,造形部分は銅,それらをつなぐ部分には強度が必要な鉄金具が使われています.

金銅は貼られていなかったと思います.

 

汚らしい金属の塊に見えるでしょうが・・・

1500年の時を経て,そんな作り手の工夫を感じることができるのが楽しいんです.

(ダメだ,書き出したら止まらないです・・・ついて来てくれてますか??)

 

本体については,これから調査していこうと思っています.

けっこうすごいモノかも知れないんですよ(笑)