Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

足してみよう③

いつも唐突な計算問題で,すみません・・・

 

  (2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)=?

という足し算をやってもらえないでしょうか?

できれば・・・( )の中を計算せずに.

 

この( )の作り方,ものすごく作為的です.

1つ目の( )の中に「2」があって,2つ目の( )の中に「-2」がある.

2つ目の( )の中に「4」があって,3つ目の( )の中に「-4」がある.

だから・・・

例えば,最初の3つを足すと

   (2-1)+(4-2)+(8-4)
  =(□□-■)+(■■■■-□□)+(□□□□□□□□-■■■■)

  =-■+(□□-□□)+(■■■■-■■■■)+□□□□□□□□

  =-■+□□□□□□□□
  =8-1

となります.

次々とプラスとマイナスによって,相殺されていく様子が分かりますよね.

だから,足し算の答えは・・・

  (2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)

 =128-1=127

となることが分かります!

なんだか,鮮やかですよね!?


ちなみに,128は,2を7回掛けた数です.

  128=2×2×2×2×2×2×2

これを,2^7と書くことにしますね.

他も同じように書きます(8=2^3,64=2^6など).

 

改めて,

  (2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)=?

を見てみると,これは

  1+2+4+8+16+32+64=?

と同じです.

  1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6=?

という,いわゆる「等比数列」の和になっています!

これを計算したら,127,つまり,2^7-1となったのです.

  1=2-1

  2=4-2

  ……

  64=128-64

と捉えることで,足し算できたわけです.

 和を計算するのに,差を利用した


ということ!

実は,この観点,すごく大事なんです!

別の計算法を確認してみます.

さらっと書くので,「ちょっと難しいな」と思われたら,スルーしてくださいね.


  1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6=A

とおいてみます.

Aを求めるのに,Aの2倍(2A)を計算してみます.

  2A=2×(1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6)

   =2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6+2^7

です.

  2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6

が,Aと2Aで共通しています.

これをBとおくと,

  A=1+B

  2A=B+2^7

です.

だから,差(左辺と右辺のそれぞれ,下から上を引く)を考えると

  2A-A=2^7+B-(1+B)

  A=2^7-1

となるのです.

さっきと同じ答えですね!

  

再び,


 和を計算するのに,差を利用した


のです!

ねっ,大事な観点でしょ!?

こういう原理を知って数学を深く理解してもらいたいな,と思います.