いつも唐突な計算問題で,すみません・・・
(2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)=?
という足し算をやってもらえないでしょうか?
できれば・・・( )の中を計算せずに.
この( )の作り方,ものすごく作為的です.
1つ目の( )の中に「2」があって,2つ目の( )の中に「-2」がある.
2つ目の( )の中に「4」があって,3つ目の( )の中に「-4」がある.
だから・・・
例えば,最初の3つを足すと
(2-1)+(4-2)+(8-4)
=(□□-■)+(■■■■-□□)+(□□□□□□□□-■■■■)
=-■+(□□-□□)+(■■■■-■■■■)+□□□□□□□□
=-■+□□□□□□□□
=8-1
となります.
次々とプラスとマイナスによって,相殺されていく様子が分かりますよね.
だから,足し算の答えは・・・
(2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)
=128-1=127
となることが分かります!
なんだか,鮮やかですよね!?
ちなみに,128は,2を7回掛けた数です.
128=2×2×2×2×2×2×2
これを,2^7と書くことにしますね.
他も同じように書きます(8=2^3,64=2^6など).
改めて,
(2-1)+(4-2)+(8-4)+(16-8)+(32-16)+(64-32)+(128-64)=?
を見てみると,これは
1+2+4+8+16+32+64=?
と同じです.
1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6=?
という,いわゆる「等比数列」の和になっています!
これを計算したら,127,つまり,2^7-1となったのです.
1=2-1
2=4-2
……
64=128-64
と捉えることで,足し算できたわけです.
和を計算するのに,差を利用した
ということ!
実は,この観点,すごく大事なんです!
別の計算法を確認してみます.
さらっと書くので,「ちょっと難しいな」と思われたら,スルーしてくださいね.
1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6=A
とおいてみます.
Aを求めるのに,Aの2倍(2A)を計算してみます.
2A=2×(1+2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6)
=2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6+2^7
です.
2+2^2+2^3+2^4+2^5+2^6
が,Aと2Aで共通しています.
これをBとおくと,
A=1+B
2A=B+2^7
です.
だから,差(左辺と右辺のそれぞれ,下から上を引く)を考えると
2A-A=2^7+B-(1+B)
A=2^7-1
となるのです.
さっきと同じ答えですね!
再び,
和を計算するのに,差を利用した
のです!
ねっ,大事な観点でしょ!?
こういう原理を知って数学を深く理解してもらいたいな,と思います.