新聞を何回折ったら月に届く?
というネタがあります.
30回とか,42回とか,50回とか,ネットには色んな回数が書かれています.
現実的に不可能なので,まったく興味わかないですけど(笑)
1回折ると,厚みが2倍(面積は1/2倍)
2回折ると,厚みが4倍(面積は1/4倍)
3回折ると,厚みが8倍(面積は1/8倍)
と,等比数列になります.
厚みが
1,2,4,8,16,32,64,・・・・
と増していく一方,面積が
1,1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64
と減っていきます.
面積が小さすぎて,もはや折ることなんてできない!
この「折り返し」を繰り返す作業は,日本刀を作るときにも行われるって,ご存じでしょうか?
日本刀での折り返し
鉄を均質にしたり,不純物を叩き出したりするために,「折り返し鍛錬」という作業をするのです.
日本刀では,15回くらい実施するようです.
層の数は
1,2,4,8,・・・・
と増えていって,15回も行ったら,
2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2 層
になります.
だいたい,3万3千くらいです!
スゴイ!!
折り返し鍛錬とは?
鉄の塊
ooo●●
oo●●●
を,叩き潰して,厚さ半分,大きさ2倍にします.
ooooo●●●●●
これを半分に折りたたみます.
ooooo
●●●●●
元と大きさ,厚みは同じですが,よく混ざった状態になります.
これを繰り返すと,鉄の質が変わってきて,日本刀作りに適したものになるのです.
こういうのを,経験を通じて発見した昔の人たち,すごいですよね.
いまある日本刀が完成したのは平安時代の終わり,約1000年前.
折り返し鍛錬は,古墳時代(1500年くらい前)には行われていたようです.
その結果が,刀の表面に模様として残り,好きな人は,その模様を楽しみます.
日本刀の表面は,ツルツルじゃないんですよ!!
常に同一方向に折り返す流派,
タテヨコ交互に折り返す流派,
タテヨコの回数2:1で折り返す流派・・・
など,いろいろあります.
だから,作り手ごとの特徴が現れ,
「いつの,誰が作った刀か?」
を当てるとき,重要なヒントになります.
私も「日本刀当てっこ大会(正式名称:入札鑑定)」をやるので,鍛錬の跡は,じっくり確認します.
最近は,「刀剣乱舞」というゲームの影響で,若い女の子が日本刀に興味をもってくれています.
そのおかげで,分かりやすい日本刀の入門書がたくさん出ています.
日本人のリテラシーとして,ぜひ,勉強してみてください(笑)
図鑑っぽい,目で見て学ぶ本
用語集としても使える,ちゃんと勉強したい人向けの本
流派の違いに特化した,マニア向けの本