未知のウイルスが蔓延しているとして,その感染の有無をチェックする検査があったら,受けてみたいですか?
もし全員がそう考えて,受けてしまうと,何が起こるでしょう?
今回は,そんなお話です.
検査の精度は100%ではありません!
99%の高精度であるとしましょう.
つまり,
・感染者が100名いたら,99人には「有」判定,
1人だけ「無」判定(誤診)を出してしまう.
・感染していない人100名のうち,1人だけ「有」判定(誤診)を出してしまう.
ということ.
感染率はどれくらいと想定しましょうか?
日本の人口が1億人として,10万人が感染していたら,蔓延と言えそうですかね?
1億÷10万=100000000÷100000=1000
ですから,1000人に一人が感染者です.
では,1億人全員に検査してみましょう!
感染している100000人
→「有」判定…99000人
「無」判定…1000人
感染していない99900000人
→「有」判定…999000人
「無」判定…98901000人
「有」判定は,全部で
99000+999000=1098000人
です.
そのうち,本当に感染しているのは・・・
たったの99000人で,
(99000÷1098000)×100=9.01%
「感染」と判定されても,91%ほどの人は誤診!
感染「有」と判定された999000人が全員入院してしまったら,それはそれは,大変なことになりますね・・・
約100万人ですよ!!ミリオン!
1つのシミュレーションですが,だいたいは的を射ていると思います.
だから,感染が極めて疑わしい人だけ検査するというのは,理にかなっているのではないでしょうか?
国民の数学リテラシー・統計リテラシーが問われているのかもしれませんね.
ちなみに,新中2の学年からの新課程・新指導要領では,「統計」が必修になります.
(みんなを悩ます「ベクトル」は理系だけがやる数学Cに移りますよ)
統計の時代なのかもしれませんね.
ということで,オススメ本をいちおう挙げておきます.
大学の統計の教科書と言えば・・・
数学オリンピックの団長として高名な藤田先生.
統計の本ですが,算数・数学的な工夫がたくさん!
理論だけじゃない面白さがあります.
統計で最も売れた本
他にも,「マンガで…」とかあると思いますが,私は読まないので分からないです・・・