文系の問題で,これは基本概念の組み合わせで解けるものでした.
けれど,そこは京大,あやふやなところがあると,もちろん,お手上げになります.
京大の問題にチャレンジするには,初めて見る数学的対象であっても,しっかりと意味をくみ取れるようにしたいですね.
さて,絶対値についてです.
難しく言うと,
数直線上に数を配置するとき,
0からの距離がその数の絶対値
です.例えば,
|2|=2,|-2|=2
です.
|-2|=2=-(-2)
と見ることができるから,一般に
|a|=a または |a|=-a
です.
x^2=4を解くと,x=2またはx=-2
は,2つの値が答えになる,という意味です.
しかし,
|a|=a または |a|=-a
は,これとは違います.
a≧0のときは,|a|=a
a≦0のときは,|a|=-a
と決まっているからです.
2つの値が答えとして認められるのではないのです.
ちなみに,
x^2=4を解くと,x=±2
は正しい表記ですが,
|a|=±a ☜ダメ!
と書くのは間違いです.
「2つの値が認められる」わけではないからです.
こういった部分の理解があやふやだと,京大数学の問題は,意味すら分からないです.
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aを負の実数とする.xy平面上で曲線C:y=|x|x-3x+1と直線l:y=x+aのグラフが接するときのaの値を求めよ.このとき,Cとlで囲まれた部分の面積を求めよ.
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「aが負」という条件を見落として,最初はa=-3,5と2つ求めてしまいました(笑)
実際は,負のものだけを答えるので,a=-3だけですね.
誤答原因の8割は,誤読由来だ
と思っていますが,それを実践した形です.
絶対値の処理:
定義域の分割(これを「場合分け」とは呼ばない!)
Cは,
x≦0においては,y=-x^2-3x+1(緑の点線)
x≧0においては,y=x^2-3x+1(赤の点線)
と表されます.
定義域ごとに適当な方の点線を選択して,全体としては,薄い青の実線で描いたグラフになります.
あとは,微分して,接線の傾きが1になる点を考えるだけです.
(x^2-3x+1)'=2x-3
だから,x=2で接していることが分かり,接線は
y=1(x-2)-1 ∴ y=x-3
となって,a=-3となるわけです.
※もちろん,放物線と直線が接する条件だから,判別式=0を解いても良いでしょう.
でも,面積まで考える問題だから,接点を求める必要もあります.
微分の方が,そこはスムーズかも知れません.
判別式で考える場合は,x^2-4x+1-a=0から,接点をx=2と見抜けないといけません.
平方完成したら分かります.
面積は,ちょっと工夫できます
※本当は,丁寧に立式して,手際よく積分計算するのがオススメです.
京大数学の解説.よければ,こちらもどうぞ.
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