そんなデータがあったら,どう思いますか?
いまのコロナ期,数字を鵜呑みにしたり,データに踊らされたり,そういう人がデマを拡散させてしまうのかも知れません.
ある意味,人災です.
そんな災いが少しでも減ってくれることを願って,書いてみます.
育毛剤を使っている人ほど,10年後に禿げている可能性が高い?
と聞くと・・・
「そんなバカな!?」
「禿げやすくなるなら,育毛剤なんて,使わない方が良いんじゃないか?」
と思いませんか?
でも,よく考えてください!
育毛剤を使うのは,どんな人ですか?
禿げてしまうのではないか,という危機感がある人ですよね.
禿げてしまう可能性を感じていない人は,それなりに高価な育毛剤を使うはずがありません!
だから,「育毛剤を使う人の方が禿げる可能性が高い」というのは,当たり前ですよね!
単純化すると,
禿げる可能性の高い人 ≒ 育毛剤を使う人
禿げる可能性の低い人 ≒ 育毛剤を使わない人
という構造ですから.
この例は極端だから,「そりゃそうか」と思ってもらえたかも知れません.
ですが,一般に,データを見るとき,思い込みが働くことがあります.
数字だけ見ても分かりにくいからということで,適当に解釈が加えられることがあって,そのために目が曇ってしまったり.
データの出典,母集団,・・・などをチェックして,「必ずこういう関係が成り立つ」というものだけを信じたいものです.
「相関関係」と「因果関係」の違い
も意識しておきたいものです.
xとyという数値について,データ上,xが増えたらyが増える,という関係がある
というのが相関関係.
相関係数という指標を利用します.
因果関係は,「原因」と「結果」の関係です.
xの値が大きい.だから,yの値が大きい,その理由は・・・
という関係のとき.
相関関係は,
xが増えたら,yが増える
という意味ですが,
yが増えたら,xが増える
と言ってもまったく同じ意味です.
ですが,因果関係は,「原因→結果」なので,逆にはなりません!
育毛剤を使う,だから,禿げる
と
禿げる,だから,育毛剤を使う
とは,別ですね.
また,因果関係があるのなら,相関関係はあります.
でも,データ上の相関関係があっても,因果関係があるとは限りません.
x:育毛剤を使っているか?
y:禿げているか?
相関関係があるとしましょう(たぶん,あると思います!)
因果関係はありますか?
育毛剤を使う,だから,禿げる.
違いますね・・・
こういうの,数字を使って説明されると,なんだか正しい気になってきます.
気を付けたいですね.
データを見るときの注意力(データ・リテラシー)は重要です.
楽しそうな本もたくさんあるので,「正しく疑う力」を高めてみてはいかがでしょう?
こういう力のことを,「批判的思考力」と言います.
かっこよくいうと,クリティカルシンキングです(笑)
これからの時代,必須のスキルと言えると思います.
コロナ時代を生き抜くためにも
2021年から始まる大学入学共通テストを乗り切るためにも