Mr.∅の数学と古美術

数学講師が語る数学と古美術、「数学語」・「数学的文法」で日本の数学教育を変えたい!

3,1,4,1,5 次にくる数は?

 数字がいくつか並んでいます.

  3,1,4,1,5

次にくる数は何でしょう?

 

答えは,

  「分からない」

です.

  「1つには決まらない」

という方が正確かも知れません.

ここでは,3通りの答えを紹介してみます.

そして,どの答えが“人間ぽい”かを考えてみましょう.

“人間っぽくない”のは,“AIっぽい”という意味です.

AIは“意味”を理解しませんからね.

 

①数字が好きな人は,数字に意味を見出して,こんな風に考えます.

  円周率π=3. 141592・・・・

の並びになっていることに気づいて

 「9」

と考えることができます.

こう思っていた人,なかなか鋭いですね!

クイズやなぞなぞも得意な,頭の柔らかい人でしょう.

私は,数学は好きですが,数字への思い入れはあまりなく,思いつきにくい発想でした.

ちなみに,人工知能は,この発想は,不可能だと思います.

πは無理数といって,循環しない小数でしか表せない数なので,“無限”に数字が並びます.

しかし,人工知能で考えられる桁数までπと一致するような分数(有理数)はいくらでも存在します.

人工知能には,πとそんな分数の区別がつかないわけですから,「π」を特定するのは不可能だろうと考えられます.

 

②数学的な発想が強いと,法則を探そうとします.

  「1」

と思っていた人,いますか?

私と一緒です(笑)

  3,1,4,1,5,1,6,1,7,1,8,1,9,1,10,1,11,12,・・・・

と考えているのです.

  偶数番目には必ず 1

  奇数番目は, 3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,・・・・

だから,5の次は1ですね!

これなら,πの値を覚えていない人(私は3.14くらいまでしか・・・)でも,考えることで数字の並びが分かります.

では,人工知能にこの発想はできるのでしょうか?

実は,これも無理だと思います.

私のAI本

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では,素数の判定,偶数奇数の判定を人工知能にやらせる実験をしていますが,ことごとく失敗に終わっています.

プロが作ったAIでも難しいようです.

素数のように不規則に登場するものを扱うのが難しそうなのは①と同様ですが,

  「交互に変化する」

ものも得意ではないようです.

これは,実際に実験をして,意外な結果でした.

  「人工知能のくせに,こんなこともできないの!?」

と思ったわけです.

 

③こんな“人”は居ないだろう?でも,AIは,得意かも・・・

  3,1,4,1,5

という5つの数字.

  1つ目が3

  2つ目が1

  3つ目が4

  4つ目が1

  5つ目が5

関数のような感じです.

  f(1)=3,f(2)=1,f(3)=4,f(4)=1,f(5)=5

5つの数値からは,4次関数が1つに決まります.

・・・ゴメンナサイ,ちょっと難しいですね.

別の言い方をしてみましょう.

そのために,変化の様子を調べてみます.

  3,1,4,1,5

1つ目の数3から2つ目の数1へは,2減っています.

次は,3増えて,3減って,4増えて・・・・

  -2,3,-3,4

増え具合を並べた数列を“階差数列”と呼びます.

  -2,3,-3,4

の階差数列は

  5,-6,7

で,さらにこれの階差数列は

  -11,13

で,これの階差数列は

  24

です.

もともと5つの数

  3,1,4,1,5

でしたから,繰り返し階差数列を考えると,1つだけ(今回は24だけになった)になってしまいます.

  「24の次も24だったらどうなるか?」

という考え方をすると,逆に戻っていくことができます.

つまり,階差数列が

  24,'24'

になるのは, -11,13の次に何がくるときでしょう?

  -11,13,'37'

です.13に24を足したら良いのです.

では,もう1つ前の数列5,-6,7で次にくる数は,7に37を足して

  5,-6,7,'44'

です.同じようにすると

  -2,3,-3,4,'48'

  3,1,4,1,5,'53'

となってしまいます.

3,1,4,1,5の次は,「53」と考えることもできます.

③の方法は,1つのルールですから,単純に考えることができます.

AIの得意分野です.

どういう式で作られているかを“近似的に”特定して,当ててくれるはずです.

 

人は,意味を理解するのに長けています.

AIは,意味を理解せずとも全件調査で近似解を特定するのが得意です.

人工知能にとって,人がメンドクサイと思う程度の処理量なんて,まったく苦ではないのですね.

 

一度作ってみると,どんなときにAIによる推測を使うのが良いのかな,というイメージが湧いてくると思います.

AIリテラシーを高めていただくのに,算数・数学を人工知能にやらせてみるという画期的な本を上梓いたしました.

この

  3,1,4,1,5の次は?

のネタは,本の中でも扱っています.

ちょっと違ったテーマですけれど.

そちらもご覧いただけたら嬉しいです.