Mr.∅の数学と古美術

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管轄・所轄・直轄・統轄の「轄」って、何のこと?

管轄・所轄・直轄・統轄という言葉に入っている漢字の「轄」って、何のことだかご存じですか?

「コトバンク」さんによると

 

[常用漢字] [音]カツ(漢)
ある範囲をおさえて支配する。「管轄・所轄・総轄・直轄・統轄」
[補説]原義は、車輪を止めておくくさび。

 

とのことです。

「へぇ~」となりますね。

 

で、

 車輪を止めておく「くさび」

ここを深堀りしましょう。

 

古代の車と言えば、そう、馬車です。

馬車の車輪を、軸に固定するために、外側から金具をつけるのです。 

その金具が動かないようにするために、釘のようなパーツで固定します。

その釘のようなものが、「」です。

 

写真は2000年くらい前の古代中国・漢の時代の「轄」です。

と言っても、轄は写真で赤い〇で囲んだ部分(見えますか?)。

 

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メインとなっている金具(馬車の車軸の先端に被せる金具)は、車軸頭と言ったり、漢字一文字では「(えい)」と書きます。

「えい」と入力しても出てきません(笑)

 

この「軎&轄」ですが、実は4センチくらいしかない小さなものです。

実際の馬車に使われていたのは、これの倍くらいの大きさはあります。

では、この美しい金銅の「軎&轄」は、どこで使われたのでしょう?

※金銅(こんどう)…鍍金(ときん・めっき)された銅のこと

 

実は、副葬品なのです。

お墓に入れられていたのです。

 

秦の始皇帝の兵馬俑って聞いたことがありませんか?

始皇帝のお墓に、粘土で作った兵士や馬の人形(俑)がたくさん埋められていたのです。

このように古代中国では、お墓に人形や馬の模型を埋めていたんです。

その中に馬車もあったわけです。

兵馬俑のような実物大のものもありますが、そんなに大きなものばかり作っているわけではありません。

この「軎&轄」のようにミニチュアが多く作られていたのです。

 

古代中国で副葬に使われた道具は「明器(めいき)」と言います。

お墓に埋まっていたと聞くと怖い感じがするかも知れませんが、そんなことは全然気にならないくらい美しいものが多いです。

まさに「明」るい感じです(笑)

 

ということで、明器であるミニチュアの馬車で車軸と車輪を固定するのに使われていた金銅の「軎&轄」をご紹介しました。

 

兵馬俑のパズルやチェス、フィギュアがありました(笑)